日刊いーしず『まちの双眼鏡』は静岡のクリエイターブログになりました。

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どうぞよろしくお願いいたします。
2014年05月23日
第十四回 一柳米来留 “米国から来て留まる”
一柳米来留。
“ひとつやなぎ めれる”と読みます。
明治の時代にアメリカからやってきた高校教師、後に1500を超える建築を残した建築家
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの事です。帰化して日本人になった建築家です。
今回はヴォーリズについて書きたいと思います。
ヴォーリズは高校教師としてアメリカより日本にやってきました。しかし、キリスト教徒である
ヴォーリズと仏教徒である市民との摩擦があり一年あまりで教師をやめることになるのでした。
そして徐々に建築を手がけるようになっていきました。
ヴォーリズの手がけた建築は住宅、病院、教会、学校、百貨店など多岐にわたり日本の各地に広がっていきました。ヴォーリズの建築思想は“そこにいる人のための建築”使う人が健康的で安全に楽しく暮らせる建物でした。今の時代、様々な制約が建物にもかかってきます。その制約をクリアしているだけの建築やデザインや話題性に走った建築が多くなってきています。そんななかでヴォーリズの思想は建物の持つ本来の使命を再認識させてくれるのではないかと思います。
ここ数年、今年がヴォーリズ没後50年という節目の年でもあり各地でヴォーリズ建築が見直されて来ています。

ウォーターハウス記念館

アンドリュース記念館
滋賀県の近江八幡市からヴォーリズの建築が始まりました。ここにはヴォーリズが暮らした家、最初に設計した家など、数々のヴォーリズ建築が残っています。ただ残っているだけではなく市民のみんながヴォーリズさんのこと好きで、ヴォーリズさんに敬意を払っている感がまちのあちこちから感じられます。きっとみんな自分のまちが好きなんでしょう。好きになれば自然といいまちができるのだと思います。そこまで引っ張ってきた人たちの苦労の賜物ですね。
先ほども触れましたが今年は没後50年にあたるので全国的にヴォーリズ建築のイベントが開催されていると思います。近江八幡でも普段見ることの出来ない建物も特別公開されています。ぜひ一度ヴォーリズを感じに近江八幡に行ってみてください。

ヴォーリズ記念館
ヴォーリズ夫妻の暮らした建物

旧八幡郵便局
発見当時は屋根に穴が開いていた。市民の手で寄付金を募り修復し、現在も修復の途中である
実は、静岡にもヴォーリズ建築があります。
高松にある“旧マッケンジー邸”、西草深にある“旧英和女学院宣教師館”です。かつては静岡県内に28のヴォーリズ建築があったようです。

旧マッケンジー邸
静岡市の名誉市民第1号であるエミリー・マーガレッタ・マッケンジー夫妻の暮らした家
旧マッケンジー邸は月曜日以外は見学することが出来ます。旧英和女学院宣教師館は実際に住まれています。時々イベントを開催されているようですので、その機会にでも訪れてみてください。
ちなみに・・・
みなさんご存知の軟膏のメンソレータム(現メンターム)を日本に広めたのはこのヴォーリズです。
“ひとつやなぎ めれる”と読みます。
明治の時代にアメリカからやってきた高校教師、後に1500を超える建築を残した建築家
ウィリアム・メレル・ヴォーリズの事です。帰化して日本人になった建築家です。
今回はヴォーリズについて書きたいと思います。
ヴォーリズは高校教師としてアメリカより日本にやってきました。しかし、キリスト教徒である
ヴォーリズと仏教徒である市民との摩擦があり一年あまりで教師をやめることになるのでした。
そして徐々に建築を手がけるようになっていきました。
ヴォーリズの手がけた建築は住宅、病院、教会、学校、百貨店など多岐にわたり日本の各地に広がっていきました。ヴォーリズの建築思想は“そこにいる人のための建築”使う人が健康的で安全に楽しく暮らせる建物でした。今の時代、様々な制約が建物にもかかってきます。その制約をクリアしているだけの建築やデザインや話題性に走った建築が多くなってきています。そんななかでヴォーリズの思想は建物の持つ本来の使命を再認識させてくれるのではないかと思います。
ここ数年、今年がヴォーリズ没後50年という節目の年でもあり各地でヴォーリズ建築が見直されて来ています。
ウォーターハウス記念館
アンドリュース記念館
滋賀県の近江八幡市からヴォーリズの建築が始まりました。ここにはヴォーリズが暮らした家、最初に設計した家など、数々のヴォーリズ建築が残っています。ただ残っているだけではなく市民のみんながヴォーリズさんのこと好きで、ヴォーリズさんに敬意を払っている感がまちのあちこちから感じられます。きっとみんな自分のまちが好きなんでしょう。好きになれば自然といいまちができるのだと思います。そこまで引っ張ってきた人たちの苦労の賜物ですね。
先ほども触れましたが今年は没後50年にあたるので全国的にヴォーリズ建築のイベントが開催されていると思います。近江八幡でも普段見ることの出来ない建物も特別公開されています。ぜひ一度ヴォーリズを感じに近江八幡に行ってみてください。
ヴォーリズ記念館
ヴォーリズ夫妻の暮らした建物
旧八幡郵便局
発見当時は屋根に穴が開いていた。市民の手で寄付金を募り修復し、現在も修復の途中である
実は、静岡にもヴォーリズ建築があります。
高松にある“旧マッケンジー邸”、西草深にある“旧英和女学院宣教師館”です。かつては静岡県内に28のヴォーリズ建築があったようです。
旧マッケンジー邸
静岡市の名誉市民第1号であるエミリー・マーガレッタ・マッケンジー夫妻の暮らした家
旧マッケンジー邸は月曜日以外は見学することが出来ます。旧英和女学院宣教師館は実際に住まれています。時々イベントを開催されているようですので、その機会にでも訪れてみてください。
ちなみに・・・
みなさんご存知の軟膏のメンソレータム(現メンターム)を日本に広めたのはこのヴォーリズです。
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2014年05月09日
第十三回 まちづくりと、市民講座
2014年3月に「最終回」を迎えた当コラム「まちの双眼鏡」ですが、2014年5月より連載を再開することになりました。今回のコラムを第十三回として、月に2回の予定で更新していきます。どうぞご愛読ください。
* * *
「まちづくり」をしたいという気持ちを育てましょう。
まちづくり委員会では市民講座を通して活動します。
私たち静岡県建築士会中部ブロックのまちづくり委員会は一般の皆様に建築や街について興味をもってもらうために、また学んでもらうためにはどのような活動をしたら良いのか考えています。清水、静岡、志太、榛原地区のメンバー総勢10名は仕事が終わって集まり、話し合いを重ねています。そしてテーマを決めて市民講座をオーガナイズしています。
昨年度は清水の駅前銀座商店街で災害を生き残るための体験教室から始まって、静岡市のるくる科学館と牧ノ原市榛原文化センターで体験型こども防犯科学セミナー、静岡市の旧マッケンジー邸でヴォーリズ建築の保存再生活動の講演会と見学会、焼津市の花沢集落で街歩きにお寺で豚汁の炊きだしと講演会、そして戦災で焼失した部分を復元したJR東京駅の保存再生事業の講演会バスツアーと大忙しでした。

花沢の里講演会の様子
建築士会にはさまざまなメンバーがいます。設計事務所の所長、スタッフから、工務店の社長、監督、大工さん、都市設計、環境コンサルタント、測量事務所の所長、教職員、公務員OBなど様々です。実はそれが強みです。いろいろな視点から考える事ができます。市民講座の企画から運営はもちろんですが、小道具なども制作しています。また様々な外部の専門家の指導、協力があって成り立っています。

浜松入野地区まち歩きの様子
お住まいの地域で、まちなみづくりへの意識を高めたい、まちの特殊性を活用してまちづくりをしたい、盛り上げたい。等々の要望があれば、まちづくり委員会のメンバーが伺います。ぜひお話をお聞かせください。静岡県地域貢献活動という補助金の活用制度もあります。また歴史的建造物の保全活用のために、静岡県建築士会は静岡県へリテージセンターSHECという組織も設立しました。

こども防犯科学セミナーの様子
「まちづくり」には多くの方の参加、協力が必要です。場合によっては時間のかかる継続的な活動になります。皆さん、市民講座へ参加してみませんか。
* * *
「まちづくり」をしたいという気持ちを育てましょう。
まちづくり委員会では市民講座を通して活動します。
私たち静岡県建築士会中部ブロックのまちづくり委員会は一般の皆様に建築や街について興味をもってもらうために、また学んでもらうためにはどのような活動をしたら良いのか考えています。清水、静岡、志太、榛原地区のメンバー総勢10名は仕事が終わって集まり、話し合いを重ねています。そしてテーマを決めて市民講座をオーガナイズしています。
昨年度は清水の駅前銀座商店街で災害を生き残るための体験教室から始まって、静岡市のるくる科学館と牧ノ原市榛原文化センターで体験型こども防犯科学セミナー、静岡市の旧マッケンジー邸でヴォーリズ建築の保存再生活動の講演会と見学会、焼津市の花沢集落で街歩きにお寺で豚汁の炊きだしと講演会、そして戦災で焼失した部分を復元したJR東京駅の保存再生事業の講演会バスツアーと大忙しでした。
花沢の里講演会の様子
建築士会にはさまざまなメンバーがいます。設計事務所の所長、スタッフから、工務店の社長、監督、大工さん、都市設計、環境コンサルタント、測量事務所の所長、教職員、公務員OBなど様々です。実はそれが強みです。いろいろな視点から考える事ができます。市民講座の企画から運営はもちろんですが、小道具なども制作しています。また様々な外部の専門家の指導、協力があって成り立っています。
浜松入野地区まち歩きの様子
お住まいの地域で、まちなみづくりへの意識を高めたい、まちの特殊性を活用してまちづくりをしたい、盛り上げたい。等々の要望があれば、まちづくり委員会のメンバーが伺います。ぜひお話をお聞かせください。静岡県地域貢献活動という補助金の活用制度もあります。また歴史的建造物の保全活用のために、静岡県建築士会は静岡県へリテージセンターSHECという組織も設立しました。
こども防犯科学セミナーの様子
「まちづくり」には多くの方の参加、協力が必要です。場合によっては時間のかかる継続的な活動になります。皆さん、市民講座へ参加してみませんか。
Posted by 日刊いーしず at 12:00