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2014年09月19日
第二十二回 津波避難タワーからの景観
私の地元焼津市内には、指定された津波避難タワーは、市所有と民間合わせて、26ヶ所存在します。東日本大震災後に次々と建設されました。
今回、可能な限り市内のタワーに足を運び、津波避難タワーが周辺の景観に与える影響や今後のまちづくりについて考えてみたいと思います。
1.吉永地区津波避難タワー(吉永1770-2)

私がかつて通った旧大井川南幼稚園の敷地内に建設。
まさか、津波避難タワーが建設されるとは夢にも思いませんでした。
これまでずっと変わらなかった景観が急に変わったため、いまだに馴れません。

タワー最上階から駿河湾に向かって撮影。
ここからだと海は随分遠いなと感じます。

タワー最上階から富士山のある方向に向かって撮影。
冬になって富士山がよくみえたらもう一度撮影したいです。
2.藤守地区津波避難タワー(藤守2115-1)


海のすぐ近くに建設された津波避難タワー。
松林の間から海がみえます。

富士山のある方向に向かって撮影。
最上階からの景色は予想以上に良い。
3.下小杉地区津波避難タワー(下小杉480-1)

藤守にあるタワーのすぐ近くにあり、公園内に建設されている。
公園の風景に溶け込んでいるとはお世辞にもいえません。
おそらく、公園内に建設した方が利点も多かったと思いますが、景観という点ではかなり違和感があります。

海のある方向に向かって撮影。
さすがに藤守のタワーと比べると松林が遠くに感じます。

富士山がある方向に向かって撮影。
4.高新田地区津波避難タワー(高新田2326-1)

公園内というより、公園の隣に建設されているため、下小杉のタワーほど違和感はありませんでした。

海(松林)に向かって撮影。

富士山がある方向に向かって撮影。
-------
いくつか実際に足を運んでみると、津波避難タワーがまちの景観に少なからず影響を与えていることが分かります。津波被害を考えた場合、タワーの建設は可能な限り急いでよかったと思いますが、このような大きな建築物が割と短期間に次々と建設されたということによる弊害が、今後表面化するかもしれないと思いました。
例えば、避難場所としての機能、可能な限り早く建設しなければならないといったスピードを重視した結果、意匠性やまちの景観などへの配慮などが後回しにされたことについては、やむを得ないと思いつつ、もう少し何とかならなかったのだろうかという気持ちも私にはあるのです。せめて、タワーの色を銀色ではなく、周辺の景観に溶け込ませる配慮があってもよいのではないかと感じました。他県では景観面に配慮したタワー設置を行っているケースもあります。
そもそも東日本大震災によって、海岸部周辺は「危険」という2文字だけで考えられるようになったとすれば、それはとても悲しいことです。海は脅威だけでなく、様々な恩恵を私たちに与えています。
また、タワーが津波避難時の際だけしか使われないのは、勿体ない気もします。
今後は、津波避難タワーを活用したイベントなどが周辺自治体と行政等で協議され、実行されるといいなと思いました。
津波避難タワーには、利用上の注意書きがあります。一度もタワーに上ったことがない方は、注意書きをよく読んで頂いた上で、挑戦してみてください。結構、疲れます。
▼クリックすると写真が拡大します

今回、可能な限り市内のタワーに足を運び、津波避難タワーが周辺の景観に与える影響や今後のまちづくりについて考えてみたいと思います。
1.吉永地区津波避難タワー(吉永1770-2)

私がかつて通った旧大井川南幼稚園の敷地内に建設。
まさか、津波避難タワーが建設されるとは夢にも思いませんでした。
これまでずっと変わらなかった景観が急に変わったため、いまだに馴れません。

タワー最上階から駿河湾に向かって撮影。
ここからだと海は随分遠いなと感じます。

タワー最上階から富士山のある方向に向かって撮影。
冬になって富士山がよくみえたらもう一度撮影したいです。
2.藤守地区津波避難タワー(藤守2115-1)


海のすぐ近くに建設された津波避難タワー。
松林の間から海がみえます。

富士山のある方向に向かって撮影。
最上階からの景色は予想以上に良い。
3.下小杉地区津波避難タワー(下小杉480-1)

藤守にあるタワーのすぐ近くにあり、公園内に建設されている。
公園の風景に溶け込んでいるとはお世辞にもいえません。
おそらく、公園内に建設した方が利点も多かったと思いますが、景観という点ではかなり違和感があります。

海のある方向に向かって撮影。
さすがに藤守のタワーと比べると松林が遠くに感じます。

富士山がある方向に向かって撮影。
4.高新田地区津波避難タワー(高新田2326-1)

公園内というより、公園の隣に建設されているため、下小杉のタワーほど違和感はありませんでした。

海(松林)に向かって撮影。

富士山がある方向に向かって撮影。
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いくつか実際に足を運んでみると、津波避難タワーがまちの景観に少なからず影響を与えていることが分かります。津波被害を考えた場合、タワーの建設は可能な限り急いでよかったと思いますが、このような大きな建築物が割と短期間に次々と建設されたということによる弊害が、今後表面化するかもしれないと思いました。
例えば、避難場所としての機能、可能な限り早く建設しなければならないといったスピードを重視した結果、意匠性やまちの景観などへの配慮などが後回しにされたことについては、やむを得ないと思いつつ、もう少し何とかならなかったのだろうかという気持ちも私にはあるのです。せめて、タワーの色を銀色ではなく、周辺の景観に溶け込ませる配慮があってもよいのではないかと感じました。他県では景観面に配慮したタワー設置を行っているケースもあります。
そもそも東日本大震災によって、海岸部周辺は「危険」という2文字だけで考えられるようになったとすれば、それはとても悲しいことです。海は脅威だけでなく、様々な恩恵を私たちに与えています。
また、タワーが津波避難時の際だけしか使われないのは、勿体ない気もします。
今後は、津波避難タワーを活用したイベントなどが周辺自治体と行政等で協議され、実行されるといいなと思いました。
津波避難タワーには、利用上の注意書きがあります。一度もタワーに上ったことがない方は、注意書きをよく読んで頂いた上で、挑戦してみてください。結構、疲れます。
▼クリックすると写真が拡大します

Posted by 日刊いーしず at 12:00
2014年09月17日
第二十一回 石畳を散策
中央ヨーロッパを旅して石畳をたくさん歩いてきました。
旅のはじめはツアーガイドの後をついて建物や景色を見ていましたが、歩いているのはほとんどが石畳の舗装のところでした。
気にしていると場所によって形や敷方はいろいろ。宮殿等はデザインを考えて敷いてあり、石の大きさもいろいろです。



遊び心のあるマンフォール
チェコ、プラハの歴史保存地区等は自動車道も路面電車の線路敷も昔のままの石畳です。


ヨーロッパは石の文化。舗装技術はローマ時代に発展したようで、すべての道はローマに続くというように主要道路の整備がされたそうです。
石畳はアスファルト舗装に比べると路面温度が低く、雨の時は水たまりもできにくいのです。また、景観もよく水道などの配管工事の際には一時石を堀出し工事後はそれを復旧できるということで環境にも良いのです。日本の住宅街などの道路はアスファルトの継ぎ接ぎが目につきますが、だからといって日本の道路を石畳にするのは不可能です。せめて、景観を楽しみたい歴史的建造物の近辺では、アスファルトはやめて風情のある舗装にしてほしいと感じています。
日本の石畳も、由緒ある神社仏閣、城郭、旧街道、観光名所等でまだまだ見られます。

南禅寺

小樽運河
静岡県内でも、気にしながら歩いてみると意外なところに歴史を感じる石畳があるでしょう。
日本の場合は、石畳も場所によって趣を変えています。例えば神社仏閣などは、品格をもたらしてくれる大きめの四角い石。山道などは山にある石を敷いてあったり、庭などは不揃いの石を柔らかい雰囲気に敷いたりと、時を感じながら美しさが楽しめます。
石の表面は雨が降っても滑らないように加工するのですが、削り方でデザイン性のあるものにしたりもします。
最近の石畳は加工品のブロック等を使ったりしていますが、やはり自然の石とは味わいが違うし歩いても意外に疲れない気がします。
どこかに出かけたときは、道路がどのようになっているか見るのも楽しいもので、昔の手仕事の成果を探して歩いています。
旅のはじめはツアーガイドの後をついて建物や景色を見ていましたが、歩いているのはほとんどが石畳の舗装のところでした。
気にしていると場所によって形や敷方はいろいろ。宮殿等はデザインを考えて敷いてあり、石の大きさもいろいろです。
遊び心のあるマンフォール
チェコ、プラハの歴史保存地区等は自動車道も路面電車の線路敷も昔のままの石畳です。
ヨーロッパは石の文化。舗装技術はローマ時代に発展したようで、すべての道はローマに続くというように主要道路の整備がされたそうです。
石畳はアスファルト舗装に比べると路面温度が低く、雨の時は水たまりもできにくいのです。また、景観もよく水道などの配管工事の際には一時石を堀出し工事後はそれを復旧できるということで環境にも良いのです。日本の住宅街などの道路はアスファルトの継ぎ接ぎが目につきますが、だからといって日本の道路を石畳にするのは不可能です。せめて、景観を楽しみたい歴史的建造物の近辺では、アスファルトはやめて風情のある舗装にしてほしいと感じています。
日本の石畳も、由緒ある神社仏閣、城郭、旧街道、観光名所等でまだまだ見られます。

南禅寺
小樽運河
静岡県内でも、気にしながら歩いてみると意外なところに歴史を感じる石畳があるでしょう。
日本の場合は、石畳も場所によって趣を変えています。例えば神社仏閣などは、品格をもたらしてくれる大きめの四角い石。山道などは山にある石を敷いてあったり、庭などは不揃いの石を柔らかい雰囲気に敷いたりと、時を感じながら美しさが楽しめます。
石の表面は雨が降っても滑らないように加工するのですが、削り方でデザイン性のあるものにしたりもします。
最近の石畳は加工品のブロック等を使ったりしていますが、やはり自然の石とは味わいが違うし歩いても意外に疲れない気がします。
どこかに出かけたときは、道路がどのようになっているか見るのも楽しいもので、昔の手仕事の成果を探して歩いています。
Posted by 日刊いーしず at 12:00