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2015年02月18日
第三十回 相良城と田沼意次
静岡県牧之原市(旧相良町)に、「相良城」があったのをご存知でしょうか?
地元の人でも、城があったことは知っているけれども詳しいことは良くわからない、という人が大半です。また、牧之原市は2005年に旧相良町と旧榛原町が合併して誕生した市であるため、旧榛原町の住民や若い世代の人では、やはり知らない人が多いようです。
それでは、「田沼意次」はどうでしょうか? 名前だけは学校で習っているので知らない人は少ないでしょう。しかし残念なことに、何をしたか良くわからないか、賄賂政治家としての間違った認識をしている人が多いようです。
田沼意次は、第10代将軍徳川家治から命を受け安永9年(1780年)頃に相良城を築城しました。城下町の整備に力をつくし、相良の町は駿府の町と同じ4間道路にし、藁葺屋根は瓦葺に変えさせたり、川の整備をしたりしています。それが現在も町並みとして残っています。産業は養蚕をすすめ、農閑期の余業の発展をはかったり、瓦の製造にも資金を出して奨励したりしています。現在も名前が残っている田沼街道を拓き、相良港の整備に力を尽くしたそうです。ちょっとは見方が違ってきましたか?
話は飛びますが、タモリが古絵図を持って町歩きをするNHKのテレビ番組、「ブラタモリ」を知っていますか? 人気があるようで、2015年4月から新シリーズがスタートするようです。
そこで今回は、田沼意次にちなんで、相良城とその城下町をブラタモリ風に歩く「ブラタヌマ」を企画しました。


左の画像をプリントアウトし申込書としてご使用ください
【日時】 3月14日(土)(小雨決行) 13時から17時(受付開始12:30~)
荒天の場合は史料館見学と学芸員によるミニ講座
【集合場所】 牧之原市役所相良庁舎横 牧之原市相良史料館
【服装・持ち物】 防寒対策をした歩くのに適した服装、小雨のための雨具
【定員】 30名程度 【参加費】 無料
【協力】 牧之原市教育委員会
【主催】 公益社団法人静岡県建築士会中部ブロックまちづくり委員会
仙台藩主伊達重村の助力によると伝わる石垣「仙台河岸」、相良城の二の丸の松、相良城を築城する際の余剰材で建てられた大澤寺などを案内します。学芸員による説明を受けながら、古絵図、昭和初期のスナップ写真や、現在の航空写真をもって町歩きをします。
興味のある方は、ぜひ参加してみてください。
最後に・・・。

田沼意次のワイロ政治を皮肉って、市内のお菓子屋さんでは「ワイロ最中」が売られています。箱を開けると最中の下にはしたごころが入っています。本来の田沼意次の偉業を知ってもらうために、地元の有志があえてこんなジョークでやったようです。 詳細は当日参加してくれた方に教えてあげますよ。(^-^)V
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執筆 サギサカ設計事務所 鷺坂雄二
地元の人でも、城があったことは知っているけれども詳しいことは良くわからない、という人が大半です。また、牧之原市は2005年に旧相良町と旧榛原町が合併して誕生した市であるため、旧榛原町の住民や若い世代の人では、やはり知らない人が多いようです。
それでは、「田沼意次」はどうでしょうか? 名前だけは学校で習っているので知らない人は少ないでしょう。しかし残念なことに、何をしたか良くわからないか、賄賂政治家としての間違った認識をしている人が多いようです。
田沼意次は、第10代将軍徳川家治から命を受け安永9年(1780年)頃に相良城を築城しました。城下町の整備に力をつくし、相良の町は駿府の町と同じ4間道路にし、藁葺屋根は瓦葺に変えさせたり、川の整備をしたりしています。それが現在も町並みとして残っています。産業は養蚕をすすめ、農閑期の余業の発展をはかったり、瓦の製造にも資金を出して奨励したりしています。現在も名前が残っている田沼街道を拓き、相良港の整備に力を尽くしたそうです。ちょっとは見方が違ってきましたか?
話は飛びますが、タモリが古絵図を持って町歩きをするNHKのテレビ番組、「ブラタモリ」を知っていますか? 人気があるようで、2015年4月から新シリーズがスタートするようです。
そこで今回は、田沼意次にちなんで、相良城とその城下町をブラタモリ風に歩く「ブラタヌマ」を企画しました。
左の画像をプリントアウトし申込書としてご使用ください
【日時】 3月14日(土)(小雨決行) 13時から17時(受付開始12:30~)
荒天の場合は史料館見学と学芸員によるミニ講座
【集合場所】 牧之原市役所相良庁舎横 牧之原市相良史料館
【服装・持ち物】 防寒対策をした歩くのに適した服装、小雨のための雨具
【定員】 30名程度 【参加費】 無料
【協力】 牧之原市教育委員会
【主催】 公益社団法人静岡県建築士会中部ブロックまちづくり委員会
仙台藩主伊達重村の助力によると伝わる石垣「仙台河岸」、相良城の二の丸の松、相良城を築城する際の余剰材で建てられた大澤寺などを案内します。学芸員による説明を受けながら、古絵図、昭和初期のスナップ写真や、現在の航空写真をもって町歩きをします。
興味のある方は、ぜひ参加してみてください。
最後に・・・。
田沼意次のワイロ政治を皮肉って、市内のお菓子屋さんでは「ワイロ最中」が売られています。箱を開けると最中の下にはしたごころが入っています。本来の田沼意次の偉業を知ってもらうために、地元の有志があえてこんなジョークでやったようです。 詳細は当日参加してくれた方に教えてあげますよ。(^-^)V
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執筆 サギサカ設計事務所 鷺坂雄二
Posted by 日刊いーしず at 12:00
2015年02月04日
第二十九回 ジョン・マリーと視察して思ったこと
昨年の話で恐縮ですが、2014年11月10日・11日 フランス人のジョン・マリー=マルガロン(70歳)さんと、奥さんのベルナデット=マルガロン(65歳)さん、知人であるフランス在住の服部さんと一緒に、お茶とみかんの島田伊久美地区・笹間地区・清水の庵原地区を訪れ、静岡大学でフランス料理実習を行った。
ジョン・マリー夫婦は、農業が盛んなフランス南西部、ドローヌ地方に位置する、人口約1700人、シュヴァルの理想宮があるオートリーヴ村に住んでおり、かつては、お二人とも農業高校で教鞭をとっていた。
現在は退職され、地域慈善活動やトリュフのブランド化等を行っているが、長年、日本の農山村を訪れることが夢だったそうだ。今回、日本の農山村へ行くことで、村の人たちに大そう羨ましがられたということである。
今まで、外国人が日本に来ると言えば、日本の観光地をめぐり、寿司、てんぷら、すき焼き等の日本食を食べ、伝統工芸品を購入するのが目的なのだと思っていた。しかし、お二人はそうではなく、日本の農山村や農業を見るためにはるばるフランスからやって来た。村の人たちもそういった考えを持っているようで、農業という側面から新たなツアービジネスにもつながりそうだ。
日本とフランスとで、似たような問題を抱えている点もある。フランスのトリュフは、現在、中国産の価格の安いトリュフに押され気味だという。フランス国内のレストランでは、食材の価格を抑えるため、フランス産と中国産を混ぜて使用している。ふたつを混ぜることで、味も香りもしない中国産のトリュフに香りが移り、ほとんど問題ないようになるらしい。そんな現状を受けて、ジョン・マリーさんたちは、共通したロゴマーク等による質の良いブランド化を進めている。
当日は、成田から静岡駅へ直行し、車で案内をしたが、時差ボケと高齢とは思えないほどのパワー。
車内ではずっと質問攻めと写真撮りまくり。
ところで、ジョン・マリーさんの話で驚かされたのは、フランスの農業者には60歳の定年があるということだった。日本の農業者や自営業のように「働く意欲がなくなるまで」ではなく、60歳で農業を辞め、人生の切り替えをして、自分のやりたかったことを行い、自己実現を果たすのだという。
日本とは考え方、価値観が全く違うが、すてきな人生の過ごし方だとも思う。

すぐに箸を使えるようになった

笹間の人たちとトリュフ三昧

フランス料理の実習
ジョン・マリー夫婦は、農業が盛んなフランス南西部、ドローヌ地方に位置する、人口約1700人、シュヴァルの理想宮があるオートリーヴ村に住んでおり、かつては、お二人とも農業高校で教鞭をとっていた。
現在は退職され、地域慈善活動やトリュフのブランド化等を行っているが、長年、日本の農山村を訪れることが夢だったそうだ。今回、日本の農山村へ行くことで、村の人たちに大そう羨ましがられたということである。
今まで、外国人が日本に来ると言えば、日本の観光地をめぐり、寿司、てんぷら、すき焼き等の日本食を食べ、伝統工芸品を購入するのが目的なのだと思っていた。しかし、お二人はそうではなく、日本の農山村や農業を見るためにはるばるフランスからやって来た。村の人たちもそういった考えを持っているようで、農業という側面から新たなツアービジネスにもつながりそうだ。
日本とフランスとで、似たような問題を抱えている点もある。フランスのトリュフは、現在、中国産の価格の安いトリュフに押され気味だという。フランス国内のレストランでは、食材の価格を抑えるため、フランス産と中国産を混ぜて使用している。ふたつを混ぜることで、味も香りもしない中国産のトリュフに香りが移り、ほとんど問題ないようになるらしい。そんな現状を受けて、ジョン・マリーさんたちは、共通したロゴマーク等による質の良いブランド化を進めている。
当日は、成田から静岡駅へ直行し、車で案内をしたが、時差ボケと高齢とは思えないほどのパワー。
車内ではずっと質問攻めと写真撮りまくり。
ところで、ジョン・マリーさんの話で驚かされたのは、フランスの農業者には60歳の定年があるということだった。日本の農業者や自営業のように「働く意欲がなくなるまで」ではなく、60歳で農業を辞め、人生の切り替えをして、自分のやりたかったことを行い、自己実現を果たすのだという。
日本とは考え方、価値観が全く違うが、すてきな人生の過ごし方だとも思う。
すぐに箸を使えるようになった
笹間の人たちとトリュフ三昧
フランス料理の実習
Posted by 日刊いーしず at 12:00